「骨盤矯正ってなに?」
「骨盤矯正にはどんなメリットがあるの?」
「ピラティスで骨盤矯正できるの?」
という疑問をもっている方も多いのではないでしょうか?
骨盤は体の土台となる部分なので、骨盤の歪みが原因で体に不調が起こっている場合があります。
骨盤の歪みが原因で起こる不調には、次の4つがあります。
- 猫背や反り腰
- O脚、X脚
- 腰痛、肩こり
- 足の冷えやむくみ
骨盤の歪みに由来しない場合もありますが、骨盤に原因がある場合、骨盤を整えるとこれらの不調の改善が期待できます。
そこで、今回は体の専門家である、理学療法士がピラティスの骨盤矯正効果をビフォーアフターの写真とともに解説します。
おすすめのストレッチやトレーニング方法、骨盤矯正を効率よく叶える方法についても解説します。
ぜひ最後まで読んで理想のスタイルを手に入れてください。
- 骨盤矯正とは
- ピラティスの骨盤矯正はどこでできる?
- 骨盤矯正の4つの効果
- 骨盤矯正におすすめのエクササイズ
- ピラティスで骨盤矯正|ビフォーアフター
- ピラティスで骨盤矯正を叶える3つの秘訣
骨盤矯正とは?ピラティスの骨盤矯正効果
骨盤は人の体の中でも、とても強固に靱帯で連結されているため、骨盤そのものが歪むことはありません。
一般に「骨盤の歪み」とは、骨盤まわりの筋肉の硬さや短縮により骨盤が傾いた状態のことをいいます。
骨盤が歪む主な原因は次の4つです。
- 筋力不足
- 足を組む、猫背といった姿勢のくせ
- 不良姿勢の継続
- 妊娠出産
これらが、骨盤まわりの筋肉のバランスを崩す原因となり、歪みを生じさせます。
ピラティスでは、エクササイズで骨盤回りの硬くなった筋肉をほぐし、弱くなっている筋肉を鍛えることで、骨盤回りを含めた全身のバランスを整え、骨盤の傾きを是正します。
ピラティスの骨盤矯正はどこで出来る?
ピラティスには、自宅でできるもの(マットピラティス)やスタジオで行うもの(マシンピラティス)があります。
運動の負荷(重さ)で比較すると、マシンピラティスは自由に設定できるのに対し、マットピラティスは自分の体重が負荷になります。
マシンピラティスは初心者の方に、マットピラティスは基本的な筋肉がある方やピラティス経験者におすすめの方法です。
マシンピラティスとマットピラティスの違いについてはこちらの記事で詳しく解説していますので、あわせてご覧ください。
ピラティスで実感できる|骨盤矯正の4つの効果
骨盤を整えることで得られる効果は主に4つあります。
【骨盤矯正で得られる効果】
- 猫背・反り腰などの姿勢改善
- O脚・X脚など、足の歪みの改善
- 冷えやむくみの改善
- 腰痛や肩こりの改善
猫背・反り腰などの姿勢改善
猫背や反り腰などの不良姿勢は、日常的に足を組んだり、デスクワークで長時間パソコンを使用する人に多く見られます。
不良姿勢の要因には骨盤の傾きが大きく関係しているものが多く、骨盤の前傾もしくは後傾が見られます。
ピラティスで、腹横筋やハムストリングスなどをターゲットとしたエクササイズを行い、骨盤を正しい位置に整え、姿勢を改善します。
O脚・X脚など足の歪み改善
O脚・X脚は、骨盤の歪みが原因となっている場合や、靭帯のゆるみや病気、けがなど、骨盤以外に原因がある場合があります。
骨盤の歪みが原因となるX脚は骨盤が内側、前傾に歪んでいる場合が多く、O脚は外側、後傾に歪んでいる場合が多く見られます。
体幹全体を強化するエクササイズ(例:プランク、ブリッジ)と股関節まわりのストレッチの他に、骨盤の傾きに合わせたエクササイズを行い、O脚・X脚を改善させます。
ただし、O脚・X脚となっている期間が長い場合は、足そのものが変形している可能性もあるため、場合によっては足に対するエクササイズも行うこともあります。
冷えやむくみの改善
骨盤が歪む原因には、骨盤まわりの筋肉の硬さや筋力低下があります。
筋肉が硬くなると、筋肉を効率よく動かせない上に、周辺の血流量が低下し、代謝が悪くなり、それが冷えやむくみにつながります。
筋肉は体を動かす以外にも、血流量を維持し、熱を生み出すという役割を担っています。
ピラティスで骨盤回りの筋力強化と柔軟性を向上させて骨盤を整えると、全身の筋肉を効率よく動かせるようになるとともに、血流量が増加し、冷えやむくみが改善します。
冷えやむくみづらい体を目指すうえでも非常に効果的です。
腰痛や肩こりの改善
腰痛や肩こりの根本原因が、骨盤の歪みである場合は多く、理由は次のとおりです。
腰痛
骨盤が前傾していることが多く、腰椎が過度に前にカーブしている姿勢(=反り腰)になるため、腰の周りの筋肉が過度に緊張してしまい腰痛を引き起こす。
肩こり
首が前に出て、背中が丸くなる姿勢(=猫背)となり、肩甲骨が外側に移動するため、首と肩甲骨まわりの筋肉に負担がかかり、肩こりを引き起こす。
ピラティスで体幹を強化し、弱くなっている筋肉を鍛えて骨盤の歪みを整えることで、根本原因を解消し、腰痛や、肩こりの改善を行います。
ピラティスで骨盤矯正におすすめのストレッチ&エクササイズ
自宅で行える骨盤矯正におすすめのストレッチ&エクササイズをご紹介します。
全身がうつる鏡で自分の姿を見て動画と同じ姿勢がとれているか、確認しながら行いましょう。
- ハムストリングをほぐし、伸ばすピラティス
- 反り腰におすすめ、腸腰筋ストレッチ
- 股関節の調整におすすめ、レッグサークルズ
1.太ももの裏にあるハムストリングスをほぐし、伸ばすピラティス
使用する道具:長いタオル
- 仰向けになる
- 片足を挙げ、タオルを母指球と小指球のあたりにかける
- タオルの両端を両手で引っ張り、息を吐きながら天井方向に膝を伸ばす
- 膝の曲げ伸ばしを数回行う
- かかとを天井方向に押し出す
- 次につま先を天井方向に向ける
- ⑤⑥の動作を複数回行う
- 反対側の脚も同様に①~⑦の動きを行う
2.腸腰筋ストレッチ
①片足を出して膝立ちになる
②骨盤は床と垂直になるように立たせる
③前足に体重をのせ、後ろ足股関節の前側を伸ばす
④さらに伸ばしたい方は、伸ばしている側の手を挙げて斜め後ろにツイストする
⑤手を上から引っ張られるイメージで伸ばすと更に効果的
⑥反対側も同様に①~⑤の動きを行う
3.レッグサークルズ
①仰向けに寝て、背中に手の平1枚分の隙間を作る
②テーブルトップポジションから膝を外に曲げる
③股関節の付け根から小さく円を描くように動かす
④チャレンジできる方は膝を伸ばして小さな円を描くように動かす
ピラティスで骨盤矯正|ビフォーアフター
ピラティススタジオ ルルトのお客様のレッスン前とレッスン後の様子です。
beforeの写真では首が前に出ており、骨盤も後傾しています。
猫背の姿勢となっているため、視線が下を向き、背中が曲がり、お尻が下がってみえます。
印象としてはどこか自信なさげな、暗い印象を受けるのではないでしょうか。
一方、afterの画像では猫背が改善され、骨盤も真っすぐになっています。
背中の丸まりがとれ、視線も上がり、ヒップラインも上がって見えます。
姿勢が改善された大きな理由としては骨盤の向きの変化です。
骨盤が後傾することで猫背を引き起こし、before写真のような状態となります。
実際にピラティスでのアプローチも、硬くなったモモ裏の筋肉を伸ばしつつ、前モモの筋肉の強化を行いました。
それにより、骨盤の歪みが整い、骨盤矯正されたことで良い姿勢の変化へとつながっています。
参考までに、一般的に整骨院や接骨院で行われる骨盤矯正について解説すると次のようになります。
通院期間
個人の症状や歪みの程度、生活習慣によって異なりますが、数週間から数か月
通院頻度
初期の段階では週に1〜2回程度の頻度で通院し、その後は状態が改善するに従って通院頻度を減らしていくことが多い。
施術内容
施術者によって変わりますが、施術者による徒手療法※1、ストレッチ、筋力トレーニング、物理療法※2など。
※1 徒手療法とは
施術者の手を使って骨盤や背骨の歪みを矯正する方法。
筋肉や関節の状態をチェックし、手技を用いて骨盤の位置を調整します。
※2 物理療法とは
電気刺激や超音波などの機器を用いて筋肉や関節の痛みを軽減し、治癒を促進する方法です。
このように整骨院や接骨院での治療は、ストレッチや筋力トレーニングも含まれますが、施術者が手を使って骨盤の位置を直接調整することに重きが置かれています。
一方、ピラティスは、体幹の安定性や全身の筋肉バランスを整えることで、自然に骨盤の位置を改善し、長期的な姿勢改善を目指します。
ピラティスで骨盤矯正を叶える3つのポイント
ピラティスで骨盤矯正し、良い状態を維持するためのポイントを3つご紹介します。
どれも重要なことですので、ぜひ次の順に沿って行いましょう。
- 骨盤の歪みの原因を知る
- 骨盤の歪みを整える
- 骨盤が歪まない姿勢や動きを身につける
①骨盤の歪みの原因を知る
骨盤の歪みに正しく対処するため、原因を分析しましょう。
ピラティスの講師は、受講者の姿勢や動作パターンを観察し、骨盤の歪みや不均衡の原因を特定することができます。
原因がわからないままに骨盤の歪みを整えようとしても、原因と違う部分にアプローチしてしまう可能性があり、良い結果は得られません。
初回レッスンで骨盤の歪み等の姿勢評価を行ってくれるスタジオも多いです。
まずは骨盤の歪みについて正しく把握するため、レッスンを受けてみるのがおすすめです。
②骨盤の歪みを整える
骨盤の歪みの原因がわかれば、実際に歪みを整えていきましょう。
ピラティスでは原因に合わせて、特定の筋肉を強化したり、緊張を緩めたりするエクササイズを行います。
ピラティスの講師は、骨盤の歪みの原因に応じて、個別にカスタマイズしたエクササイズを提供します。
可能であれば、スタジオトレーニングに数か月間通い、姿勢を定期的に評価してもらいながら、エクササイズの内容を適切に変更していくと、持続的な歪み改善につながります。
③骨盤が歪まない姿勢や動きを身につける
ピラティスで骨盤の歪みを整えられたとしても、日常生活で歪んでしまうことは非常に多いため、骨盤がゆがまない姿勢と動きを身につけましょう。
例えば
- 立ち姿勢や座り姿勢に気を付ける
- 体の片側に負担をかけない
- 正しい歩き方を意識する
などがあげられます。
立ち姿勢や座り姿勢に気を付ける
立っているときは、頭を上に引き上げるように意識し、肩はリラックスさせます。
椅子に座るときは、深く腰掛けて背もたれに寄りかかりすぎないようにします。
長時間座ることが避けられない場合は、定期的に立ち上がってストレッチを行いましょう。
体の片側に負担をかけない
重い荷物を片側の肩にばかりかけると、骨盤が歪む原因になります。
足を組む、片方の側に重心をかけて座るなどのクセも骨盤の歪みを引き起こします。
これらの習慣を意識して修正することが大切です。
正しい歩き方を意識する
歩くときは、頭を上げて目線を前方に向け、肩をリラックスさせます。骨盤を安定させながら、足を均等に使って前に踏み出すように意識します。
ピラティスで体幹を鍛えると、自然と姿勢が良くなっていきますが、普段の生活でも意識することが大切です。
骨盤矯正を最短で叶えるならマシンピラティスがおすすめ
3つのポイントをすべて抑え、最短で骨盤矯正を叶えるのにおすすめの方法は、マシンピラティスです。
狙った筋肉にピンポイントでアプローチできるだけでなく、マシンが動きをサポートするため、「体の正しい動かし方」を早く身につけることができます。
さらに、パーソナルレッスンを選択すると体調に合わせてプログラムを組んでもらえるため、効果を早く感じられるでしょう。
ピラティスで骨盤矯正をして美姿勢を手に入れよう
骨盤矯正とは骨盤まわりの筋肉を整え、正しい位置に戻すことです。
ピラティスには、インナーマッスルにアプローチするエクササイズが豊富にあるため、ピラティスで骨盤矯正が叶えられます。
骨盤矯正を始める際は、まず状態を正しく見極めることが大事になるため、ピラティスの講師などの専門家に見てもらい、自分にあったメニューを組んでもらうことが一番の近道です。
また、ピラティスには自宅で行うマットピラティスとスタジオで行うマシンピラティスがあります。
マシンピラティスは、正しいフォームをとりやすく、負荷を調節できるメリットがあるため、安全に体に負担をかけることなく始めることができ、初心者には特におすすめです。
体の土台である骨盤を適切にケアして、姿勢を改善し、不調が起きにくい体を手にいれましょう。