「眠りが浅くて朝から疲れている」
「気持ちが安定しない」
更年期になると、これまでとは異なる心と体の変化に戸惑う人が少なくありません。
その多くは、女性ホルモンの減少により自律神経が乱れやすくなることが原因です。
自律神経を整えるために大切なのは、頑張るケアではなく、無理せず続けられる心と体の整え方を見つけることです。
本記事では、今日からすぐできるセルフケアを中心に、自律神経を整える方法を紹介します。
更年期の不調は自律神経の乱れが原因のものもある

更年期になると、2つの女性ホルモン「エストロゲン」と「プロゲステロン」の分泌量が著しく低下し、ホルモンバランスが乱れます。
女性ホルモンと自律神経は密接に関係しており、ホルモンバランスが乱れると自律神経のコントロールがうまくできなくなります。
自律神経が乱れると、身体や心に次のようなさまざまな不調をきたし、これらの不調は、自律神経を整えることで改善が期待できます。
身体的症状
- のぼせ・ほてり(ホットフラッシュ)
- 冷え(手足や下半身が冷える)
- 動悸・息切れ
- 頭痛・めまい
- 肩こり・腰痛
- むくみ・だるさ
- 睡眠障害(寝つきが悪い、夜中に目が覚める)
- 便秘や下痢などの消化不良
心理的・メンタル面の症状
- イライラ
- 不安感・心配が増える
- 落ち込みやすい
- 集中力や記憶力の低下
- 情緒不安定

更年期は「規則正しい生活」で自律神経を整えよう

更年期の体調を整えるには、まず、生活リズムを安定させることが大切です。
特に「運動・睡眠・食事」の3つのバランスを整えるように意識しましょう。
適度な運動
規則正しい生活をするためには、適度な運動習慣が欠かせません。
しかし、更年期で体が疲れやすい時期には、体を動かすのも億劫に感じられる人も多いでしょう。
ヨガやピラティスは、ゆったりとした動きの中で心身を整えられるため、運動が苦手な方でも続けやすく、続けるほどに効果が感じられるエクササイズです。
柔軟性を高められる動きもあるため、肩こり・腰痛などの不調の改善にも役立ちます。
運動には血行促進、交感神経と副交感神経のバランスを調整する働きや、ストレス解消の効果も期待できます。
また、日中にしっかりと活動することで、体内時計のリズムを整えられるため、夜は自然と休めるようになるでしょう。
十分な睡眠
睡眠不足は自律神経を乱す大きな原因となります。
就寝前には体がリラックス状態になる副交感神経を高めるために、スマホやパソコンは控えましょう。
特にベッドの中での動画視聴やSNSを観る時間は、ブルーライトにより睡眠の質を低下させます。
早寝早起きを心がけ、できる限り同じ時間に起床すると、睡眠リズムを整えられます。
更年期で体が辛い時ほど、睡眠時間を優先しましょう。
日中に疲れやすさを感じたら、無理せず休むことも大切です。
昼寝をする場合は20~30分以内にすると、夜に眠れなくなる心配がありません。
また、午後3時以降は避け、昼食後の1時前後にするのがおすすめです。
バランスの良い食事
自律神経を整えるためには、バランスの良い食事も大切です。
特にたんぱく質は意識的に取り入れるようにしましょう。
中でも、豆腐や納豆などの大豆製品には、女性ホルモンエストロゲンと似た働きをする成分が含まれています。
エストロゲンの分泌量を増やす助けとなるため、ホルモンバランスを整えることに繋がります。
他にも、自律神経を整え更年期症状を軽減するためには、以下のものを取り入れるとよいでしょう。
- 食物繊維が多い食品(海藻、穀物など)
- 発酵食品(ヨーグルト、味噌など)
- ビタミンB群が豊富な食品(卵、豚肉など)
- カルシウムが豊富な食品(牛乳、小魚など)
- 鉄分を含む食品(赤身肉、ひじきなど)
これらの食品をバランスよく摂ることで、腸内環境が整えられ、疲労感や気分の落ち込みを軽減します。
更年期はリラックスタイムで自律神経を整えよう

日々のストレスも自律神経を乱す大きな要因となりますので、意識的にリラックスタイムを作り、自律神経を整えましょう。
リラックスタイムを作るヒントを4つご紹介します。
ゆっくりお風呂に浸かる
ゆっくりお風呂に浸かると、緊張していた体と心がほぐれていき、副交感神経が優位になります。
体がリラックス状態となるため、眠りにつきやすくなるでしょう。
38℃~40℃くらいのぬるめのお湯に15分程度浸かるのが理想的です。
ゆるめのお湯にしっかりと浸かることで、体の芯まで温められます。長く浸かるのが苦手な人は、体を洗う時間などを挟んで2~3回に分けると良いでしょう。
寝る1時間前までに入っておくと、温まった体の温度が下がり、入眠しやすくなります。
リラックス効果のあるハーブティーを飲む
リラックス効果のあるハーブティーを飲むのもおすすめです。
更年期の不調や不安な気持ちを鎮める作用のあるものもあり、香りを楽しみながら味わうことで心身を癒せます。
更年期におすすめのハーブティー
- カモミール
- レモンバーム
- ラベンダー
- ローズヒップ
- オレンジフラワー
リラックス作用やイライラを鎮めるものもありますので、お気に入りの香りのものを取り入れてください。
白湯を飲む
寝起きに白湯を飲むことで、内臓が温まり血液の循環がよくなります。
胃腸が活発になるため、腸内環境が整いやすく、自律神経を整えます。
友人と話す
気心の知れた友人と話す時間も大切です。
笑ったり共感したりすることで、幸せホルモンと呼ばれるセロトニンやオキシトシンが分泌されます。
これらは気分を安定させ、安心感を与えてくれます。
また、誰かと気持ちを共有することは、孤独感や不安感を軽減する効果もあります。
社会的つながりが安心感をもたらし、心理的ストレスを軽減します。
趣味で気分転換する
趣味で気分転換するのもおすすめです。
趣味に没頭するとストレスホルモンが軽減し、過剰な緊張が抑えられます。
好きなことをすることで、ドーパミンやセロトニンが分泌され、心身のバランスが整えられます。
心の緊張が和らぐと、自律神経も自然に整いやすくなります。
最近趣味の時間をとっていなかった人は、この機会に始めてみてはいかがでしょうか。
更年期は「無理せず・整える」時間を持とう

更年期は、心と体が大きく変化する時期です。
「頑張らなきゃ」と気持ちだけが先走ると、かえって自律神経が乱れ、疲れやイライラが増えてしまうこともあります。
だからこそ大切なのは、無理を重ねるのではなく、こまめに整える時間を作ることです。
身体の土台そのものをやさしく整えたい人には、ピラティスを取り入れるのもおすすめです。
深い呼吸に合わせて体幹を動かすピラティスは、姿勢や筋力を整えるだけでなく、セロトニン分泌を促し、心の安定にも良い影響を与えます。
「運動が苦手」という人でも無理なく始められ、続けるほど疲れにくい体へと変わっていくのも嬉しいポイントです。


この記事の著者・運営者:マシンピラティススタジオ ルルト









