「整体に行ったら骨盤が前傾しているって言われたんだけど・・そもそも前傾ってどうゆうこと?治るの?」
骨盤が前傾(ぜんけい)しているとは、骨盤が背骨に対して前向きに傾いていることをさします。
骨盤が前傾すると反り腰となり、腰痛を引き起こすだけでなく、下半身太りなど様々な悪影響をもたらす恐れがあります。
この記事では、骨盤の前傾、後傾(こうけい)を判断するためのチェックシートや、前傾してしまう原因、改善するためのエクササイズなどをご紹介します。
ぜひ最後までご覧ください。
【目次】
- 骨盤前傾していることってどういうこと?
- 骨盤の前傾、後継の見分け方(チェックリスト)
- 骨盤が前傾する原因
- 骨盤前傾を改善するエクササイズ3選
- 骨盤前傾を改善する秘訣
- 骨盤前傾を最短で改善するならピラティスがおすすめ
- まとめ
本記事は、理学療法士兼PHIピラティスマスタートレーナーである「戸田圭哉」監修監修のもと執筆されています。
運営元のピラティススタジオ『ルルト』は、理学療法士が在籍する株式会社理学ボディが運営しており、医療・運動の両面から身体の悩みにアプローチしています。
本記事は、PHIピラティスマスタートレーナー兼理学療法士である「戸田圭哉」監修監修のもと執筆されています。
運営元の【マシンピラティススタジオ ルルト】は、理学療法士が在籍する株式会社理学ボディが運営しており、医療・運動の両面から身体の悩みにアプローチしています。
骨盤が前傾しているってどういうこと?
骨盤が前傾(ぜんけい)している状態、後傾(こうけい)している状態とは、次の図の状態を指します。
骨盤が前傾していると、太ももが張りやすく反り腰になり、お尻が出っぱる姿勢になります。
さらに、見た目だけでなく腰痛や便秘など身体の内側にも悪影響があるため、便秘の悩みを持つ方に骨盤の前傾が見られることもあります。
骨盤の前傾・後傾の見分け方【セルフチェック】

骨盤が前傾している人、後傾している人にあてはまる特徴をご紹介します。
【骨盤が前傾している人に多く当てはまる特徴】
- ふくらはぎがパンパンに張りやすい
- 膝の後ろが真っ直ぐに張っている
- 太ももの前の部分が張りやすい
- お尻が突き出ている
- 腰・背中が張っている
【骨盤が後傾している人に多く当てはまる特徴】
- 膝が伸びにくい
- ガニ股
- ぽっこりお腹
- 丸みのないお尻
- 猫背
- 肩・首・頭が前に出ている
いかがでしょうか。
今度は実際に、骨盤が前傾しているか後傾しているかを調べる方法をご紹介します。
【骨盤の前傾・後傾チェック方法】
壁を背にして立ち、お尻・背中・頭をそれぞれくっつける
腰と壁に片手が入る程度の隙間→ 正常
腰と壁の間に手を通すことができる → 骨盤前傾
全く隙間ができない → 骨盤後傾

骨盤が前傾する6つの原因
骨盤が前傾するのに考えられる原因は6つあります。
- 背骨や関節が硬い
- 腰や股関節まわりの筋肉が硬い
- インナーマッスルの低下
- ヒールをよく履く
- 長時間の立ち仕事やデスクワーク
- 片足重心や足を組む癖がある
背骨や関節が硬い
背骨や関節が硬いとは、可動域が狭いことです。
例えば、前傾している骨盤の可動域は狭く、本来であれば前後・左右のように動く骨盤も前傾したまま固まってしまっているような状態になります。
骨盤が前傾したまま固まる(可動域が狭い)と、腰痛などの原因になってしまうのです。
また、骨や関節の可動域が狭ければ、骨盤だけでなくその周りの筋肉にも影響を与えます。
背骨を柔軟にすることで、改善が考えられます。
腰や股関節まわりの筋肉が硬い
腰や股関節の周りには、大きく3つの筋肉が関係しています。
- 大腰筋(だいようきん)・・・背骨と太ももをつなぐ筋肉
- 腸腰筋(ちょうようきん)・・・上半身と下半身をつなぐ筋肉
- 腸骨筋(ちょうこつきん)・・・骨盤と股関節をつなぐ筋肉
これら腰・骨盤周りの筋肉の柔軟性の低下が、骨盤前傾の原因となります。
例えば、
基本の姿勢が反り腰になっていたり、長時間のデスクワークは、腰や股関節周りの筋肉が固くなってしまします。
インナーマッスルの低下
インナーマッスルとは、私たち人間の身体の土台となる筋肉のことです。
インナーマッスルが低下すると、骨盤の前傾だけでなく、腰痛や猫背などあらゆる身体のトラブルへと発展してしまいます。
インナーマッスルと骨盤の前傾に直接関わる筋肉の部位は全てで5つです。
- 腸腰筋(ちょうようきん)・・上半身と下半身をつなぐ筋肉
- 腹横筋(ふくおうきん)・・・お腹の最も深い部分の筋肉
- 多裂筋(たれつきん)・・・背中にある小さい筋肉のことですが、腰部分だけ大きな筋肉
- 骨盤底筋群(こつばんていきんぐん)・・・文字通り骨盤の一番底にある筋肉
- 横隔膜(おうかくまく)・・・人間が呼吸をする際に使用する筋肉
これら、5つの筋肉(インナーマッスル)が、骨盤の前傾と最も大きく関係するとされています。
ヒールをよく履く
日ごろからハイヒールを履く方は無意識に骨盤が前傾しやすくなるため、要注意です。
というのも、
- ヒールによって踵が上がり、つま先重心になる
- 重心が前に傾き、前方に倒れそうになる
- 背筋や腰を反ることで、重心を後ろに保ちバランスをとる
このように、無意識のうち腰や背中などの筋肉を使用してバランスをとるからです。
長時間の立ち仕事やデスクワーク
長時間の立ち仕事やデスクワークも、骨盤が前傾してしまう原因の1つです。
仕事となれば、ついつい8時間ほど同じ姿勢になってしまいますよね。
しかし、同じ姿勢であることが骨盤周りの筋肉を固める原因となっているのです。
片足重心や足を組む癖
片足重心や足を組む癖も骨盤が前傾する原因です。
片足重心をすれば、体重をのせている方の骨盤が横に反ってしまいます。
足を組むと、骨盤周りの筋肉が引っ張られることや、血流悪化となり、骨盤前傾へつながってしまう人もいます。
癖を治すことは難しいですが、「正しい姿勢」を意識するといいでしょう。
骨盤の前傾を改善するトレーニング3選

骨盤の前傾を改善するために、誰でも簡単にできるトレーニングを3つ紹介します。
ヨガマットがなくても、自宅で簡単にできるトレーニングです。
音が立たないトレーニングなので、マンションなど上の階に住んでいる方でも安心して取り組むことができるでしょう。
可能であれば、お風呂上がりに行ってみてくださいね。
- スクワット
- キャットアンドドッグ
- 太もものストレッチ
これらのトレーニングを行うことでの注意点は正しいトレーニングを心がけることです。
例えば、「スクワット」と聞いて、自分自身の中で思い浮かべるスクワットではなく、正しいスクワットを行うようにすることが重要です。
それでは、これら3つのトレーニングを詳しく解説していきましょう。
スクワット
スクワットは、下半身を鍛えるトレーニングです。
太ももからお尻、背中にかけて、正しいスクワットを心がけましょう。
スクワット
- 足を肩幅に広げる
- 足のつま先と膝は真っ直ぐ揃える
- お尻を突き出すようにする
- 太ももと床が平行になるまで下ろす
- ゆっくりと元の姿勢に戻す
スクワットと聞くと、誰でも聞いたことのあるトレーニングかと思います。
しかし、正しいスクワットをしなければ、効果は出ません。
背中を丸めないように、気をつけてスクワットを実施してみましょう。
キャットアンドドッグ
キャットアンドドッグは、肩甲骨や骨盤の動きをよくするトレーニングです。
骨盤の動きをよくすることで、骨盤の前傾を改善することが期待できます。
ヨガのクラスでもよく見られるトレーニングです。
こちらも正しい姿勢を心がけましょう。
キャットアンドドッグ
- 四つん這いになる
- 肩幅の真下に両手、骨盤の真下に膝を意識する
- (キャット)目線をおへそに向け、骨盤を持ち上げる
- (ドッグ)目線を上げ、肩甲骨を寄せる
キャットの状態では、背中を上げて丸くさせるように意識しましょう。
ドッグの状態では、背中を反らしお腹を伸ばすようにしてください。
太もものストレッチ
太もものストレッチを行うことで、太ももの張りを軽減することができます。
骨盤が前傾していると、太ももの前側の筋肉が張った状態となっています。
前側の筋肉をほぐしていくことで、骨盤を正常な位置へと戻していく助けをしてくれるのです。
立ち仕事やデスクワークが多い方は、しっかりと太ももをほぐしていきましょう。
太もものストレッチ
- 片膝を地面につける
- 足首をつかみ、お尻に近づける
- 胸をはり正面を向く
- 30秒ほどキープをする
片膝を地面につけて痛い場合は、タオルやクッションなどを使って保護してくださいね。
骨盤前傾を改善する3つの秘訣
ここでは、骨盤前傾を根本から改善するための秘訣を3つご紹介します。
- 骨盤の歪みを整える
- インナーマッスルを鍛える
- 正しい体の使い方を覚える
日常生活を行う上で意識すると、骨盤前傾が改善されるだけでなく、正しい姿勢を身につけることができます。
骨盤の歪みを整える
「骨盤が歪む」と、聞くとどういう状態かあまり想像できないのではないでしょうか。
骨盤が歪むとは、骨盤を支えている筋肉のバランスの崩れや、下半身の歪みをさします。
そのため、骨盤を支えている筋肉のこりをほぐし、柔らかくすることが重要です。
骨盤のトレーニングやストレッチをしたりすることで、歪みを整えることができます。
また、横向きやうつ伏せで眠っている方も要注意です。
骨盤の歪みを悪化させないためには、仰向けを心がけるようにしましょう。
骨盤の歪みの悩みで多いのが骨盤が広がってしまい、腰回りのシルエットが太く見えてしまうというケースです。
実は、広がった骨盤も正しい知識と対策を知ることで改善が期待できます。
骨盤を狭くしたいという人は、理学療法士がオススメする効果的な方法を今すぐ実践してみましょう。
インナーマッスルを鍛える
先ほども説明したように、インナーマッスルとは日頃無意識のうちに使っている筋肉のことです。
インナーマッスルを鍛えるためには、体幹トレーニングがおすすめです。
プランクなどを行うことで、インナーマッスルを鍛えることができ、姿勢の改善も期待できます。
また、わざわざプランクなどをしなくても、日頃から立っている際に腹筋を意識することも効果的です。
お腹を少し凹ますと、自然とインナーマッスルに力が入ります。
これであれば、通勤中などの少しの時間を使って、日頃からインナーマッスルを鍛えることができるのです。
お腹を少し凹ますことを、日頃から意識してみましょう。
正しい体の使い方を覚える
正しい体の使い方を覚えることも重要です。
正しい姿勢だと思っていても、実は反り腰になっていることもあります。
ご紹介した方法で、お尻が出すぎていないかチェックすると良いでしょう。
また、デスクワークが多いかたは、自分の目の高さにあった椅子やパソコンの設定をすることが大切です。
最後におそらく誰しもが利用するスマートフォンも、正しい体の使い方から遠ざかっている可能性が高いです。
画面を見る際に、俯きすぎないよう、顔の正面に持ってくるように意識をしてみてはいかがでしょうか。
骨盤の前傾を最短で改善するならピラティスがおすすめ

ストレッチや日頃からの意識で、骨盤前傾は改善することができるとお伝えしました。
しかし、どうしても「正しいストレッチ方法なのか」「正しい姿勢なのか」の判断を個人で行うのは難しいです。
特にストレッチやトレーニングは、正しいフォームで毎日コツコツ行うからこそ意味があります。
1週間頑張ったからと言って、急に骨盤前傾が改善されるわけではありません。
そこで、おすすめなのが「ピラティス」です。
ピラティスは「骨盤の歪みを整える」「インナーマッスルを鍛える」「正しい体の使い方を覚える」全てををまとめて行うことができます。
つまり、簡単に手早く骨盤の前傾を改善することができるのです。
初心者の方は、インストラクターから丁寧な指導が受けられるパーソナルレッスンがおすすめです。
まとめ
骨盤の前傾を改善するためのトレーニングやストレッチを解説しました。
骨盤の前傾をそのまま放置しておくと、下半身太りの原因や姿勢が悪くなるだけでなく、腰痛や便秘になりやすくなります。
骨盤前傾を改善するためには、
- 骨盤の位置を整えるために、腰回りの筋肉の柔軟性を高めること
- インナーマッスルを鍛えること
- 正しい体の使い方を覚えること
がポイントです。これらを同時に叶える方法として、ピラティスがおすすめです。
身体使い方のクセをプロに診てもらい、適切なトレーニングを行うことで、身体は確実に変えられます。
ピラティススタジオ『ルルト』の体験レッスンで、ぜひ体の変化を感じてください。

この記事の著者・運営者:マシンピラティススタジオ ルルト