- ピラティスかジムに通いたいけれど、違いや特徴がよくわからない
- 姿勢改善に効果的なのはどっち?
- 痩せるのに効果的なのはどっち?
自分にはどちらが合っているのか、気になっている方も多いでしょう。
今回の記事では、ピラティスとジムの違いはもちろん、どちらに通うのが効果的なのかについて解説します。
- ピラティスとジムの基本的な違い
- 目的・悩みに合わせて、自分にはどちらが合っているのかがわかる
ピラティスとジムの違いとは?
ピラティスとジムには次の2つに大きな違いがあります。
- 鍛えられる筋肉が違う
- できる運動の種類が違う
ここでは、この2点の違いの他に、料金面の違いや筆者が体験して感じた違いを紹介します。
ピラティスとジムの違い①鍛えられる筋肉が違う
ジム
ジムでは体の表面にある筋肉(アウターマッスル)を鍛えることができます。
代表的なものは、胸や太もも、お尻の筋肉です。
自分の意志で動かすことができる筋肉で、日常生活やスポーツで体を動かすときに使います。
ピラティス
ピラティスで鍛えられるのは、体の深層にあるインナーマッスルです。
腹部の深層筋や骨盤底筋などが挙げられ、正しい姿勢を維持したり、骨や関節の動きをサポートする役割があります。
ピラティスとジムの違い②できる運動の種類が違う
ジム
ジムでは一般的に、ウェイトトレーニング、カーディオトレーニング※1、エアロビクスなど複数の方法のトレーニングが可能です。
有酸素運動(エアロビクスやランニングなど)は、心肺機能を向上させ、エネルギー消費を促進します。
一方、無酸素運動(ウェイトトレーニングなど)は、筋力増強と筋肥大に効果的です。
※1:カーディオトレーニング…心肺機能を高めるための有酸素運動
ジムでは、有酸素運動と無酸素運動の両方を取り入れたトレーニングができます。
有酸素運動とは、心肺機能を強化し、持久力を高める運動です。
ジムにおいては、ランニングマシンやエアロバイクを利用して行います。
一方、無酸素運動とは、短時間で高強度の力を発揮し、筋力や筋肉量を増やす運動です。
ウェイトトレーニング(ダンベル等を使った筋力トレーニング)、マシントレーニング(特定の筋肉を重点的に鍛える、専用マシンを使ったトレーニング)などがあります。
ピラティス
ピラティスには、マット上でのエクササイズ(マットピラティス)や専用の機器を使用したエクササイズ(マシンピラティス)があります。
どちらも、低負荷で体幹を鍛えるエクササイズです。
呼吸法とストレッチを組み合わせることで、体幹(コア)を中心に全身のバランスを整えられるため、運動や日常動作をスムーズに行える土台(体)を整えることができます。
ピラティスとジムの違い③その他 料金面での比較
ジム
ジムの料金は、施設の形態によって大きく異なります。
以下にジムの形態別の料金例を挙げます。
<総合型ジム>
月額料金: 約5,000円〜15,000円
総合型ジムは、広範な設備が提供されることが多いです。
トレーニングマシンはもちろん、プール、サウナなど様々なサービスが揃っています。ダンスクラスやスイミングクラスなどのスタジオレッスンがある場合もあります。
<24時間ジム>
月額料金: 約4,000円〜10,000円
24時間営業しているジムで、いつでも自由にトレーニングが可能です。
基本的にトレーニングマシンやダンベルなどのフリーウェイトの提供のみで、サービス内容が絞られている分、料金は安いです。
<パーソナルジム>
月額料金: 約30,000円〜(トレーニングの回数や時間による)
個別のトレーナーと一対一でトレーニングを行うジムです。より専門的な指導や個別のプログラムが提供され、短期間で目標に近づくことができます。
<市町村が運営するジム>
民間のジムに比べて利用料金が安いことが多く、月額料金や回数券などの料金プランが用意されています。
トレーニングマシン、プール等の施設、幅広い年齢層へ向けたヨガや体操のレッスンを提供する施設もあります。
ピラティス
トレーニング方法(マットピラティスまたはマシンピラティス)によって価格は異なりますが以下の価格が目安となります。
- グループレッスン: 月4回 10,000~15,000円
- パーソナルレッスン: 1回 7,000円~
グループレッスンとパーソナルレッスンの違いはこちらの記事で解説していますので、あわせてご覧ください。
筆者が実際に体験!ピラティスとジムの違い
実際にピラティスとジムの両方を体験して感じた違いをご紹介します。
ピラティス体験
今回、マシンピラティスのグループレッスンを体験しました。
ピラティスは初めてでしたが、インストラクターの方が丁寧に指導してくれるので、マシンの使い方についていくことができました。
リフォーマーという専用マシンを使いましたが、それぞれの身体に合わせてスプリングの張り具合を変更して、負荷を調整できるので、安心してエクササイズをすることができました。
体験レッスンの数日後、これまで筋肉痛になったことのない部分が痛くなり、調べてみると「小胸筋」という大胸筋の奥の筋肉でした。この肋骨と肩甲骨をつなぐ筋肉を鍛えると、猫背の改善が期待できるそうです。
「ピラティスは身体のどの部分が鍛えられているかわかりやすい」と実感しました。
※ピラティスの猫背改善に関する記事はこちら↓
インストラクターによると、週1回くらいのペースでマシンピラティスを行うと姿勢改善効果が得られやすいとのことでした。
ジム体験
ジムは、色々な機器を使ってトレーニングができるため、自分のペースで進められます。
パーソナルジムに通えば、より効果的なトレーニングプランを組むことができます。
ジムへ行くのは初めてで、少し緊張しましたが、スタッフの方が丁寧に機器の使い方を教えてくれたので、安心して始められました。
ランニングマシンやエアロバイクを使ったトレーニングでは、思ったよりも汗をかいて、心拍数が上がるのを感じました。
次に体験したサーキットトレーニングでは、いろいろなエクササイズを短い間隔で行うので、全身がしっかりと鍛えられる感じがしました。
特に腕や脚がしっかりと疲れて、効果を実感できました。
ピラティスとジムの効果とメリット
ピラティスとジムの共通の効果やメリットは、健康維持と体力向上、ストレス解消です。
ここでは、これらの他にそれぞれのエクササイズによって得られる効果とメリットをご紹介します。
ピラティスの効果とメリット
ピラティスならではの効果とメリットを3つご紹介します。
①コアの強化
コア(体幹部)とは、腹部の深層筋や脊柱の深部筋、骨盤底筋など、体の深層にある筋肉を指します。
これらの筋肉を鍛えるためには、ピラティスが効果的です。
コアが強化されると体の軸がしっかりするため、日常生活で疲れにくくなり、スポーツにおいてはパフォーマンスが向上します。
②柔軟性の向上
ピラティスの動きは、筋肉をストレッチする要素が含まれており、柔軟性を向上させます。
柔軟性が向上すると、体を効率よく使えるようになるだけでなく、ケガの予防にもなります。
リフォーマーなどピラティス専用のマシンを利用すると、さらに深いストレッチが行えるため、柔軟性アップが期待できるでしょう。
マシンピラティスはスタジオに通う必要がありますが、一人一人の体に合わせ、体への負荷を調整することができるため、体が硬い方や初心者にはおすすめです。
③姿勢の改善
コアの筋肉は、正しい姿勢を保つためには欠かせないものです。
そのため、トレーニングを続けることで、骨盤、背骨、関節の位置などが整い、美しい姿勢を維持しやすくなります。
姿勢が改善し、血流が良くなることから、腰痛や肩こりの予防、冷え性の改善にも効果があります。
ジムの効果とメリット
ジムの効果とメリットを3つご紹介します。
①筋力増強
ウエイトトレーニングで、アウターマッスルを増強することができます。
筋肉は、運動によって負荷をかけると筋繊維が破壊され、修復される過程で大きくなります。
筋力アップして、日常生活やスポーツでのパフォーマンスを向上させたい人に有効です。
②持久力向上
有酸素運動が可能なランニングマシンやエアロバイクなどを使用すると効率的に心肺機能が高まり、持久力が高まります。
持久力を高めると、日常生活動作で疲れにくくなる他に、生活習慣病の予防にもつながります。※2
※2:なぜ全身持久力が必要なのか -健康と全身持久力の関連性 | e-ヘルスネット(厚生労働省) (mhlw.go.jp)
③脂肪燃焼
ジムでは、脂肪燃焼に効果的なカーディオトレーニングやサーキットトレーニングに取り組めます。体重管理やダイエットをしたい人は、定期的にこれらの運動を取り入れると成果が現れやすくなります。
【目的・お悩み別】ピラティスとジムトレーニングの選び方を解説
ピラティスとジムは、目的やフィットネスレベルに合わせて選択すると続けやすく、目的達成に繋がります。
目的・お悩み別に解説しますので、ご自身の目的や今までの運動習慣等を考えながら読み進めてくださいね。
ピラティス vs ジム:姿勢改善と健康効果で選ぶならどっち?
姿勢改善に重点を置くなら、ピラティスがおすすめです。
柔軟性を高め、体幹を強化することで、日常生活での姿勢を自然に改善できます。
総合的な健康維持や体力向上を目指すなら、さまざまなトレーニングマシンやプログラムが揃っており、自分の目的に合わせたトレーニングが可能なジム、またはピラティスとジムを併用するといいでしょう。
ピラティスで体の土台を作っておくと、アウターマッスルを鍛えるエクササイズにおいても正しいフォームでトレーニングが出来るため、高い効果を得ることが可能となります。
ピラティス vs ジム:ダイエットに効果があるのはどっち?
どちらも人気がありますが、それぞれ異なるアプローチで効果が得られます。
即効性を求める場合はジムがおすすめです。有酸素運動と筋力トレーニングを組み合わせることで、効果を実感しやすいでしょう。
一方、長期的に無理なく続けたい場合は、ピラティスがおすすめです。
ピラティスは体幹を鍛えながら姿勢を改善し、継続することで基礎代謝が向上し、リバウンドしにくい体を作ります。
ピラティスのダイエット効果をこちらの記事で解説していますので、あわせてご覧ください。
また、ピラティスとジムのどちらか一方を選択するのではなく、両方を組み合わせたトレーニングプランを取り入れるのもおすすめです。
ピラティス vs ジム:体に負担が少ない運動はどっち?
ピラティスとジム、両方とも低い負荷(体に負担が少ない運動)から始められます。
ジムでは低負荷のマシンやプールでのエクササイズがいいでしょう。
ピラティスはマシンピラティスがおすすめです。
マシンピラティスでは、マシンが体を支えてくれるため、関節や筋肉への負担を少なくすることができます。
ピラティス vs ジム:ケガの予防効果があるのはどっち?
ケガの予防を目的とする場合は特に、ピラティスがおすすめです。
ピラティスに取り組むと筋力のバランスが整い、柔軟性が向上するため、ケガのリスクを軽減します。
一方、ジムでも適切なフォームでのトレーニングや、パーソナルトレーナーの指導を受けることで、ケガの予防に努めることが可能です。
ピラティス vs ジム:初心者が取り組みやすいのはどっち?
ピラティスは低強度でありながら、全身をバランスよく鍛えることができるため、多くの初心者にとって取り組みやすいエクササイズといえます。
特に、インストラクターの指導の下で行うピラティスは、初心者でも安心して始めることができます。
ジムも多様な設備やクラスがあり、初心者向けのプログラムやパーソナルトレーナーのサポートを利用することで、効果的にトレーニングを進められます。
ピラティススタジオやジムの利用に不安を感じる方は、見学や体験を利用して考えると良いでしょう。
ピラティスとジムは利用目的や今までの運動経験を考慮して選択しよう
ピラティスとジムには次のような違いがあります。
【ピラティスとジムの違い】
項目 | ピラティス | ジム |
目的・効果 | 体幹(インナーマッスル)強化 柔軟性向上 姿勢改善 ストレス軽減など | 筋力(アウターマッスル)増強 持久力向上 脂肪燃焼 ストレス解消など |
鍛えられる部位 | インナーマッスル (体幹部) | アウターマッスル (身体の表面にある筋肉) |
運動の種類 | ・マシンピラティス ・マットピラティス 両方とも有酸素運動 | 選ぶエクササイズによって、有酸素運動と無酸素運動両方が行える ・無酸素運動(ウェイトトレーニングなど) ・有酸素運動(ランニングマシンなど) |
強度 | 低負荷で無理なく | 高負荷で効率よく |
レッスンの料金 | グループ:月4回 10,000~15,000円 マンツーマン:1回 7,000円~ | 公共施設:1回 200円~ 会員制:月額 5,000円~ パーソナル:月額 3万~15万円 総合型ジム:月額 約5,000円〜15,000円 24時間ジム:月額 約4,000円〜10,000円 パーソナルジム:月額 約5,000円〜15,000円 市町村運営ジム:1回 200円~ |
鍛える部位の違いから分かるように、美しいボディラインを手に入れたい方はピラティスを、筋肉を大きくして筋力アップしたい方はジムを選ぶといいでしょう。
運動経験が少なく、筋力が少ない方が健康のために運動を始める場合は、マシンピラティスでインストラクターの指導を受ける方法がおすすめです。
また、ダイエットのために始める場合は、ピラティストレーニングやジムでのウエイトトレーニングに加えて、脂肪燃焼効果のある運動(ランニングやエアロバイクなど)を取り入れると効果的です。
運動以外にも、食事面に配慮するとより効果的です。
このように、ピラティスとジムのどちらを選ぶか迷う場合は目的を明確にし、体調や体力に合わせて選択しましょう。
無理なく続けられる方法を見つけて、健康で充実した毎日を送ってくださいね。