姿勢改善

猫背矯正ベルトは効果がない?専門家が教える本当の理由・解消法まで

えりこさん

猫背を治すために「猫背矯正ベルト」を買ってみたけどまったく変わらないな…

あなたもこんな経験をしたことはありませんか?

実際、猫背矯正ベルトが本当に猫背を治してくれるのか気になりますよね。

「猫背矯正ベルト気になってるけど、本当に猫背治るのかな?」

「猫背矯正ベルトを使わないで、猫背を治す方法ってあるの?」

「猫背を最短で治したいな…」

もしかすると、こんな疑問や悩みも持っているかもしれません

猫背を放っておくと、将来腰椎椎間板ヘルニアや二次的に頸椎ヘルニアになるリスクがあるので、「猫背」は早く改善するべきです。

今回の記事では

  • 猫背矯正ベルトを使っても猫背が改善しなかった!
  • 猫背矯正ベルトの効果が気になる
  • 猫背を最短で良くしたい

という方に向けて

  • 猫背矯正ベルトの効果について
  • 猫背矯正ベルトで猫背が治らない理由
  • 猫背にならないための生活の工夫
  • 猫背矯正を最短で叶える方法

をわかりやすく解説していきます!

終盤では、猫背矯正に効果的なエクササイズ3選も紹介しているので、今すぐ猫背改善の効果を感じたい方は、チェックしてみてください!

当店は、今回ご紹介するようなお悩みの方に対し、身体が変わる(ル)、最短ルート(ルト)のピラティスを提供する』というコンセプトで新しく誕生したピラティススタジオ『ルルト』です。

体の専門家である理学療法士が監修し、これまでにもたくさんの方にご利用いただいております。

戸田先生

PHIピラティスマスタートレーナー兼理学療法士である、戸田が監修しております!

猫背矯正ベルトは効果がない?

えりこさん

猫背矯正ベルトって結局効果あるんですか?

戸田先生

結論、猫背矯正ベルトを使っても猫背は治らないです!

もちろん、猫背ベルトを批判したいわけではありません。

猫背ベルトも使うタイミングによっては、意味があります。

しかし、使えるタイミングがかなり限定されるため「猫背を根本的に治す」という意味では、猫背矯正ベルトは専門家目線では最適解ではないという考えです。

どうして猫背矯正ベルトは「猫背矯正」といっているのにも関わらず、どうして猫背が改善しないのでしょうか?

それは、猫背の根本(原因)に、猫背矯正ベルトではアプローチができないからです。

まず「猫背」について確認すると、2023年現在「猫背」の明確な定義はありません。

“見た目”で背中が丸まっている状態を、一般的に猫背と呼んでいるのが現状です。

背骨の正式な呼び方は「脊椎」であり、脊椎はまっすぐではなく、歩く際の体重の衝撃を吸収するため、S字にカーブしています。

主に3か所をメインに、背骨はカーブしています。

  • 頸椎(首)→前が凸になるようにカーブ(前弯)
  • 胸椎(胸郭)→後ろが凸になるようにカーブ(後弯)
  • 腰椎(腰)→前が凸になるようにカーブ(前弯)

猫背はこの中の、胸椎(胸の高さの背骨)の後弯(後ろにたわむ)が、強くなっています。

●猫背とはどんな状態

  • 猫背=胸椎の後弯(後ろにたわむ)が強くなっている状態

そして、猫背になる原因は大きく分けて以下の3つです。

●猫背の原因

  • 長時間の不良姿勢
  • 筋力の低下
  • ストレスや緊張

猫背矯正ベルトは、上記の3つのどの原因にもアプローチができません。

そのため、猫背矯正ベルトは効果がないとされています。

ただ、猫背矯正ベルトができることもあるので、総合的に猫背矯正ベルトを吟味して、使用するか判断することが必要です。

そのためには以下3つのポイントを抑える必要があります。

  • そもそも猫背矯正ベルトって?
  • 猫背矯正ベルトをつけるとどうなる?
  • 猫背矯正ベルトができること・できないこと

それぞれ詳しく解説していきます。

そもそも猫背矯正ベルトって?

えりこさん

よく分からずに買ってしまったんですけど、そもそも猫背矯正ベルトってなんですか?

戸田先生

猫背矯正ベルトは、猫背を改善するために作られた“補助具”です!

猫背矯正ベルトは、姿勢を正すためのベルトのことです。

「猫背矯正ベルト」とは、装着時に正しい姿勢をサポートしてくれるベルトのことを指します。

引用:マイベスト

猫背矯正ベルトは、背中を支えて正しい姿勢を保つためのサポートをします。

ただし、猫背矯正ベルトは矯正器具ではなく、姿勢を改善するための補助具にすぎません。

補助具であるため、イメージ的には「サプリメント」が近いです。

サプリメントは、体に劇的な変化を起こすことはできません

体に劇的な変化を起こすことができるのは「薬」だからです。

劇的な変化を起こせないため、サプリメントはネットやスーパーで買うことができます。

猫背矯正ベルトも同様です。

猫背矯正ベルトだけでは、姿勢に与える影響が小さいため、ネットやお店で、医師の指示なく買うことができます。

●猫背矯正ベルトとは?

  • 猫背を矯正できる力はない
  • 猫背改善のサポートは可能

猫背矯正ベルトをつけるとどうなる?

えりこさん

猫背矯正ベルトをつけるとどうなるんですか?

戸田先生

背骨が自然なS字のカーブになるよう、一時的にアシストしてくれます!

冒頭でも話したように、背骨は、3か所メインにカーブをしています。

  • 頸椎(首)→前が凸になるようにカーブ(前弯)
  • 胸椎(胸郭)→後ろが凸になるようにカーブ(後弯)
  • 腰椎(腰)→前が凸になるようにカーブ(前弯)

そして、それぞれのカーブはお互いに影響しあっています。

どこかのカーブが強くなることによって、他のカーブも強くなります。

  • 猫背=胸椎の後弯(後ろにたわむ)が強い状態

であるため、猫背の場合、頸椎や腰椎のカーブも大きくなっていることがあります。

猫背矯正ベルトは、胸郭(肋骨を含む胸の周り全体)に装着することによって、中心に向かって引き締めるような力のベクトルがかかります。

そうなることによって、後弯(後ろにたわむ)した脊柱を、強制的に伸展(まっすぐ)させます。

さらに、本来良い姿勢をキープするために働く「脊柱起立筋」の機能を補います。

そして、脊椎は連動しているため、胸椎の後弯(後ろにたわむ)が減少することで、頸椎の前弯(前にたわむ)も減少します。

●猫背矯正ベルトをつけるとどうなる?

  • 後弯(後ろにたわむ)した脊柱が、強制的に伸展(まっすぐ)する
  • 良い姿勢をキープするために必要な「脊柱起立筋」の機能を補う

猫背矯正ベルトができること・できないこと

えりこさん

なんとなく猫背矯正ベルトのことは分かったけど、結局猫背矯正ベルトは何ができて、何ができないんだろう?

戸田先生

それぞれ3つあるので解説します!

●猫背矯正ベルトができること

  • 脊柱の伸展(まっすぐ)のサポート
  • 筋肉の疲労の軽減
  • 肩や首にかかる負担の軽減

●猫背矯正ベルトができないこと

  • 猫背の原因の改善
  • 正しい姿勢の記憶
  • 正しい姿勢を保つために必要な筋肉のトレーニング

自分の猫背が気になっている方が、

  • 結婚式
  • 大事な商談

など大きなイベントがあるタイミングで、一時的に猫背矯正ベルトを使うのは“アリ”です。

ただし、猫背矯正ベルトの効果は、あくまで装着中のみに限られるので、長い目で考えると、その場しのぎの猫背矯正ベルトからは早く卒業して、猫背を引き起こしている根本的な問題を解決していく必要があります。

猫背矯正ベルトで猫背が治らない本当の理由

えりこさん

猫背矯正ベルトで猫背が治らないのはなんでですか?

戸田先生

猫背矯正ベルトで猫背が治らない理由は3つあります!

猫背矯正ベルトで猫背が治らないのには、あるポイントがあります。

それは以下の3つです。

  • 矯正ベルトはその場しのぎにしかならない
  • ベルトで筋力は鍛えられない
  • ベルトで体の硬さは変えられない

それぞれ解説していきます。

矯正ベルトはその場しのぎにしかならない

まりさん

矯正ベルトっていろんなところで使われているのに、その場しのぎにしかならないんですか?

戸田先生

基本的に矯正ベルトはその場しのぎです!矯正ベルトのみでは姿勢は変わらないです

矯正ベルトを使うことが多いシチュエーションは大きく分けて2つあります。

  • シチュエーション①:一般の方が不良姿勢(猫背・反り腰)を改善したいとき
  • シチュエーション②:手術後

猫背の原因は全部で3つありますが

●猫背の原因

  • 長時間の不良姿勢
  • 筋力の低下
  • ストレスや緊張

猫背になっている状態では、矯正ベルトを使用しても解決しません。

唯一「長時間の不良姿勢」に関しては、矯正ベルトでアプローチすることができそうですが、長時間の不良姿勢により、不良姿勢=正しい姿勢と脳が誤って覚えてしまっているため、矯正ベルトを外した瞬間から、また猫背となります。

手術後に矯正ベルトを使うケースもあります。

ただし、この場合は、矯正ベルトで姿勢を良くしようという訳ではなく、手術をした場所を守るという意味で使っています。

●医療現場で矯正ベルトを使用する理由

患部(手術した場所)の炎症を予防

無理な動きの制限(動きすぎてしまう方の動きを限定)

姿勢の保護(体の安定性)

一般的にネットで買えるものとは、見た目や大きさがかなり異なります。

医療現場で使われる矯正ベルトですら

治療過程で医師が必要と判断した場合に、一時的に矯正ベルトを使用している程度です。

ベルトで筋力は鍛えられない

まりさん

ベルトをつけたら、筋肉が引き締められて筋力が強くなりそう!

戸田先生

ベルトによる引き締め感は強いですが、自分の力で筋肉を収縮させているわけではないので、筋力は強くなりません!

猫背を治すためには、筋力が必要ですが、ベルトをつけただけでは筋力は増えません。

筋力を増やすには、以下の3点が必要です。

  • 筋肉に適度な負荷をかける
  • 自分の意思で筋肉を収縮させる
  • 継続的に筋肉に刺激を与える

猫背矯正ベルトはあくまで姿勢を正すための装置であり、筋力トレーニングを目的としていません

そのため、筋力を増やすためには、猫背矯正ベルトを使うだけでは不十分です。

筋力は、負荷によって刺激を与えられることで増えます。

つまり、筋肉に十分な負荷をかけることが必要です。

猫背を治すためには

  • 猫背=胸椎の後弯(後ろにたわむ)が強い

であるため、逆に胸椎の前弯(前にたわむ)を促すような筋肉を鍛えることが必要です。

胸椎の前弯(前にたわむ)を促す筋肉

  • 脊柱起立筋、菱形筋

猫背矯正ベルトは、筋肉に十分な負荷をかけることができないため、筋力を増やすのには不十分です。

筋力を増やすためには、適切な筋トレプログラムが必要です。

猫背矯正ベルトを使っても、適切な筋トレプログラムがなければ筋力は増えません。

ベルトで体の硬さは変えられない

まりさん

ベルトを使ったら体の硬さは変わる?

戸田先生

ベルトで体の硬さは変わりません!継続的なストレッチやリラクゼーションが必要です

猫背を治すのには、体の硬さを改善する必要があります。

猫背で硬くなりやすい筋肉は以下の2つです。

●猫背で硬くなりやすい筋肉

  • 腹直筋、ハムストリングス

上記の筋肉が硬くなることで、背中が丸まりやすくなり猫背につながります。

また、硬さには2種類あります。

●筋肉の硬さに種類

  • オーバーユース(使い過ぎ)による硬さ
  • 短縮(実際に筋肉の長さが短くなる)による硬さ

短縮は同じ姿勢をとり続けることにより起きます。

猫背矯正ベルトを長時間使うことによって、逆に短縮ができ、胸椎だけでなく、腰椎まわりや頸椎まわりも硬くなる可能性もあります。

そしてこの2種類の硬さをとるには、必要なアプローチが決まっています。

●筋肉の硬さに対するアプローチ

  • オーバーユース(使い過ぎ)による硬さ→マッサージ
  • 短縮(実際に筋肉の長さが短くなる)による硬さ→ストレッチ

つまり、体の硬さをとるには「マッサージ効果」「ストレッチ効果」が必要ですが、矯正ベルトでは、どちらの効果も期待できません。

猫背矯正ベルトを考える前にやるべきこと4つ

えりこさん

猫背矯正ベルトをとりあえず、また1回使ってみようかな…

戸田先生

えりこさんちょっとストップ!じつは、猫背矯正ベルトを考える前にやるべきことがあります!

猫背を治していくには、以下の順番に沿って進めていくことが必要です。

  1. 猫背の原因を理解する
  2. 体の歪みを整える
  3. 必要な筋力を鍛える(体幹・肩回り)
  4. 猫背にしない環境づくり

逆にいうと、いきなり「猫背にしない環境づくり」から始めても、猫背改善の効果は薄いです。

順番に理解していくことが大切です。

それぞれ解説していきます。

猫背の原因を理解する

えりこさん

ずっと気になっていたんですけど猫背の原因ってなんですか?

戸田先生

猫背の原因は3つあります!

●猫背の原因

  • 長時間の不良姿勢
  • 筋力の低下
  • ストレスや緊張

大きくわけて、猫背の原因はこの3つです。

どれにも該当しないのに、猫背の場合は

  • 脊椎の炎症
  • 脊椎の骨折
  • 後天的な側弯症

などの可能性があるため、医療機関の受診をお勧めします。

ほとんどの人は、デスクワークを行っているうちに、知らず知らずのうちにパソコンの画面に顔を近づけてしまい、前方頭位という不良姿勢をとってしまいます。

引用:さいとう整形外科

この姿勢のまま、何時間も作業をしていると、脳は「前方頭位=正しい姿勢なんだ!」と誤って記憶していきます。

そうなると「前方頭位=正しい姿勢」のため、無意識に作業を行うと勝手に前方頭位になります。

前方頭位では頸椎(首の高さにある背骨)の前弯(前にたわむ)が強くなるため、連動するように、胸椎(胸の高さにある背骨)の後弯が強くなります。

  • 猫背=胸椎の後弯(後ろにたわむ)が強い

であるため

  • 前方頭位=頸椎の前弯(前にたわむ)増強
  • 頸椎の前弯(前にたわむ)増強=胸椎胸椎の後弯(後ろにたわむ)増強
  • 前方頭位=猫背に繋がる

となります。

また、筋力の低下によっても、猫背になります。

人間の体は

  • 重力+脊椎のS字カーブ

の影響を受けるため、特にケガ等をしてなかったとしても、弱くなりやすい筋肉が弱くなっていくことがあります。

主には

  • 背中にある筋肉

です。

背中の筋肉が弱くなることによって、正常な姿勢を無意識で保つことができなくなり、楽な猫背へとなっていきます。

そして、ストレスや緊張は猫背の原因となります。

大きな発表会直前や怒られることが確定している会議で、堂々と胸を張って良い姿勢でいることは難しいです。

これはどうしてかというと、心理的なストレスがかかっているからです。

ストレスを感じると、身体が反応して様々な症状を引き起こします。

姿勢が悪くなるのもその一つで、ストレスによって自律神経のバランスが崩れ、筋肉の緊張が高まります。

自律神経系は、血圧や呼吸数など、体内の特定のプロセスを調節している神経系です。 意識的な努力を必要とせず、自動的(自律的)に機能するのが特徴です。 自律神経系の病気は、体のあらゆる部分とあらゆるプロセスに影響を及ぼす可能性があります。

引用:MSDマニュアル

その結果、猫背になってしまうことがあります。

また、猫背は自律神経系に関係しているため、ストレスを感じている時に姿勢が悪くなることで、ストレスをさらに悪化させる可能性があります。

そのため、ストレスを感じた時には、深呼吸やリラックスするための方法を取り入れたり、緊張を解消するための方法を試したりすることが大切です。

夜よく眠れず、猫背の方は、自律神経がかなり乱れているかもしれません。夜よく眠れていない方は以下の記事をチェック!

体の歪みを整える

えりこさん

体の歪みを整えるってなんですか?

戸田先生

骨盤の歪みや脊椎の歪みを減らすということです!

猫背を治すには、体の歪みを整えることが必要です。

なぜかというと、猫背は胸椎の後弯(後ろにたわむ)だけに対してアプローチしても、猫背は変わらないからです。

骨盤の歪みとは

  • 骨盤の過度な前傾(前への傾き)
  • 骨盤の過度な後傾(後ろへの傾き)

です。

この、骨盤の過度な前傾や後傾により、骨盤のお隣である、腰椎が非常に強い影響を受けます。

それにより、腰椎の前弯(前にたわむ)が変化することで、さらに腰椎のお隣である、胸椎が影響を受けます。

  • 骨盤の歪み(過度な骨盤の前傾や後傾)→腰椎のカーブに影響→胸椎のカーブに影響

となるため、猫背が実際に起きる胸椎からは遠い骨盤ですが、しっかりと整える必要があります。

整える方法としては、骨盤を前傾や後傾させる筋肉を柔らかくすることが有効です。

●骨盤を前傾させる筋肉

  • 大腿直筋
  • 脊柱起立筋

●骨盤を後傾させる筋肉

  • 腹直筋
  • ハムストリングス(もも裏)

必要な筋力を鍛える(体幹・肩周り)

まりさん

猫背を治すのになんで筋力が必要なんだろ?

戸田先生

必要な筋肉を鍛えることで、無意識でもいい姿勢をとり続けられるようになるからです!

必要な筋力を鍛えることで、猫背は改善します。

猫背の状態では、良い姿勢をキープする筋肉が使われないため、弱くなります。

良い姿勢をキープする効果がある筋肉が、体幹の筋肉とも呼ばれる「インナーマッスル」です。

インナーマッスルは、カラダの深部にある小さな筋肉たちのことを指します。
体幹では、背骨の安定性を高め呼吸にも関わるなど、大きな力を発揮することはできないものの重要な働きをします。

引用:ぜんしん整形外科

インナーマッスルは一般的に

  • 腹横筋(前)
  • 多裂筋(後ろ)
  • 横隔膜(上)
  • 骨盤底筋群(下)

を指します。

イメージ的には、風船が膨らんでいる状態です。

このなかで、どのインナーマッスルが弱くなっても体のバランスを悪化させます。

インナーマッスルが弱くなると、正常な姿勢をキープし続けることが難しくなり、猫背につながります。

インナーマッスルは爆発的な力を発揮する筋肉ではないため、自分の力で簡単にトレーニングをすることができます。

猫背を治すには、肩周りの筋肉を鍛えることも必要です。

猫背では、胸椎が後弯(後ろにたわむ)するため、背中側の筋肉が常に伸ばされ、筋肉が「延長」という状態になります。

延長した筋肉のイメージは、だるんだるんになった輪ゴムです。

延長してしまった背中にある筋肉は、筋力を発揮しづらくなり、無意識では背中を良いポジションに動かせなくなるため、さらに猫背が加速します。

この悪いサイクルを断ち切るために、肩周りの筋肉を鍛える必要があります。

そのなかでも、特に鍛えるべきなのは「菱形筋」という筋肉です。

菱形筋を鍛えることで、肩甲骨が内側に寄ります。

そして肩甲骨が内側によることで、脊柱が伸展(まっすぐ)します。

脊柱が伸展することで、胸椎の後弯(後ろにたわむ)が減少し、猫背が改善します。

そして、この一連の効果は、猫背矯正ベルトを使用したときと、全く同じです。

つまり、猫背矯正ベルトを使わなくても、菱形筋を鍛えることで、良い姿勢をキープできるようになるということです。

このように

  • インナーマッスル
  • 菱形筋

を鍛えることで、猫背矯正ベルトを使うメリットを簡単に超えることができます。

猫背にしない環境作り

えりこさん

これ以上ひどい猫背にしたくないな…

戸田先生

猫背になりづらい環境づくりをしてみましょう!

猫背矯正ベルトを使う前に、猫背になりづらい環境をつくることも大切です。

●猫背になりづらい環境

  • 30分に1回立つ
  • 運動をする

まずは、この2つがおすすめです。

筋肉の特性を考えても、同じ姿勢を取り続けないというのが、筋肉を固めないことにつながります。

筋肉が固まらなければ、猫背になるリスクを減らすことができます。

デスクワークなど、座っている時間が長い方は、このあとの猫背にならないための生活の工夫チェック!

猫背矯正に効果的なストレッチ3選

えりこさん

自分でもできる猫背を改善できる方法ってありますか?

戸田先生

あります!理学療法士目線で、猫背の改善におすすめな簡単ストレッチを3つご紹介します

それぞれの

  • 方法
  • ポイント

をまとめたので、猫背の改善におすすめな簡単ストレッチを知りたいという人はぜひ見てみてください。

もも裏(ハムストリングス)ストレッチ

戸田先生

猫背につながる、骨盤を後傾させる筋肉である「ハムストリングス」を緩めます!

動画の1:28~をチェック!

●方法

  1. 膝を伸ばしてかかとだけつける
  2. 両手を太ももの上におき、胸を前に突き出す
  3. 30秒キープ

POINT体を前に倒すほど、ハムストリングス(もも裏)が伸びる

お腹伸ばしスフィンクス

戸田先生

骨盤を後傾させる筋肉である「腹直筋」を緩めます!

動画の2:24~をチェック!

●方法

  1. うつ伏せになる
  2. 両肘をつく
  3. 胸を張って目線も上に向ける
  4. 30秒キープ

POINT:力を抜くと伸びやすい◎

猫背矯正ストレッチ

戸田先生

肩甲骨を寄せることで、狭まった前側を伸ばし、弱くなった背中の筋肉も同時に鍛えます!

動画の11:00~をチェック!

●方法

  1. 座る
  2. バンザイする(手のひらが内側)
  3. 下げる(手のひらが外)
  4. 30秒続ける

POINT胸を張って肩甲骨を寄せる意識で行う

猫背矯正に効果的なエクササイズ3選

えりこさん

猫背改善におすすめなエクササイズも知りたいです!

戸田先生

もちろんです!猫背改善におすすめなエクササイズを3つご紹介します

それぞれの

  • 方法
  • ポイント

をまとめたので、猫背改善におすすめなエクササイズを知りたいという人はぜひ見てみてください。

ドローイン

戸田先生

インナーマッスルの1つである腹横筋(前)を鍛え、良い姿勢をキープできる状態にします!

動画の0:07~をチェック!

●方法

  1. 仰向けに寝て膝を90°立てる
  2. 息をゆっくり吐きながらお腹をへこませていく
  3. 息を吐ききったら、その状態をキープ
  4. 10秒キープしたら元に戻す

POINT:息を吐き切る

キャットドッグ

戸田先生

背骨や肩甲骨を柔軟にして、凝り固まった猫背を解消します!

  1. 四つ這い位になる(手は肩幅より少し開く)
  2. 手で床を押すように背中を丸くしていく
  3. 顔を上にあげると共に背中を反らしていく

POINT:肩甲骨を内側に寄せ、骨盤を前に傾ける

バードドッグ

戸田先生

背中のインナーマッスルである多裂筋(後ろ)を鍛えて、無意識でも良い姿勢をキープできるようにします!

●方法

  1. 背中を一直線にする
  2. 足を上げる
  3. 手をあげる
  4. 10回×3セット

POINT:お腹に力を入れる

猫背にならない為の生活の工夫

まりさん

猫背にならないようにできることってあるのかな?

戸田先生

ありますよ!1番大切なのは、同じ姿勢を1時間以上キープしないことです!

猫背にならないためには、生活の中で工夫する必要があります。

●猫背にならないための工夫

  1. 30分座ったら1回立つ
  2. 椅子の座面の高さを調整する
  3. デスクの高さを調整する
  4. ディスプレイの位置を調整する
  5. マウスやキーボードの位置を調整する
  6. 膝を曲げたまま料理をしない
  7. 下にあるものをとるときは、股関節から曲げる

①は全員、②~⑤は仕事で長時間デスクワークを行う人、⑥・⑦は主婦の方が特に意識する必要があります。

猫背の原因は

●猫背の原因

  • 長時間の不良姿勢
  • 筋力の低下
  • ストレスや緊張

であるため、どれだけ上記の3点から自分の行動を遠ざけることができるかが、猫背にならないための鍵となります。

工夫①~⑥は「長時間の不良姿勢」を防ぐために必要です。

特にデスクワークをしている方に重要な②~⑤の具体的な方法は以下の通りです。

●椅子の座面の高さを調整する

  • 椅子の座面の高さは、床面から膝裏までの距離が約5cm程度になるように調整する
  • 膝と床面が平行になるように座面の高さを調整すると、正しい姿勢を保ちやすくなる

●デスクの高さを調整する

  • 椅子の背もたれを利用して、背中を支える
  • 背中を支えることで、猫背を防ぎ、正しい姿勢を保つことができる
  • お尻の下にクッションやタオルを置くのもおすすめ

●ディスプレイの位置を調整する

  • ディスプレイの位置は、目線と同じ高さになるように調整する
  • 目線が下がると、首や肩に負担がかかり、猫背になりやすくなる

●マウスやキーボードの位置を調整する

  • マウスやキーボードの位置は、肘が90度になるように調整する
  • 肘が90度になるようにマウスやキーボードの位置を調整すると、手首や肩への負担が軽減され、猫背になるリスクが減る

また、下にあるものをとる際は手だけで取ろうとせず、股関節を折り曲げてとることが必要です。

そうすることによって、腰への負担を軽減させることができ、猫背を防ぐことができます。

猫背矯正を効果的に叶えるマシンピラティス

えりこさん

猫背を早く良くする方法ってないのかな?

戸田先生

猫背を最短で整えるなら、ピラティスが1番おすすめです!

猫背を最短で整えるには

  • 筋力のバランス
  • 正しい立ち方
  • 姿勢に関する意識
  • 習慣の改善

が必要ですが、このすべてを改善できるのが、ピラティスなんです。

ピラティスのメリットは、大きく分けて4つあります。

  • コア(インナーマッスル)を鍛えられる
  • 柔軟性を高める効果
  • 正しい姿勢の学習
  • ストレス解消

特にこの中の「正しい姿勢の学習」が、猫背を最短で整えるために必要になってきます。

これは、ご紹介したストレッチやエクササイズではカバーできないポイントです。

ピラティスのエクササイズを行うなかで、正しい動き(最小限の力で楽に体を動かせる動き)を何度も繰り返します。

最初はかなり疲れます。

しかし、これはインナーマッスルの弱さや、普段の生活で使い過ぎの筋肉・使わなすぎで弱くなっている筋肉ができていることの証拠でもあります。

そして、ピラティスを続けることで、エクササイズ自体も楽になるのと一緒に

  • インナーマッスルの強化
  • 正しい動き、姿勢の学習

がされるため、骨盤や姿勢の歪みが整い、モデルさんのような背筋がピンっと伸びた姿勢に生まれ変わります。

えりこさん

私じゃピラティス難しいかな…

と思った方もいるかもしれませんが、どんなに運動をしていない方でもピラティスなら大丈夫です。

ピラティスには2種類あります。

  • マシンピラティス
  • マットピラティス

上記2つの内、マシンピラティスがおすすめです。

マシンピラティスでは負荷量を柔軟に変更できるため、初心者でも安心してピラティスを行うことができます。

マシンピラティスの更なる効果を知りたい方は以下の記事をチェック!

短期間で本格的に姿勢を変えるには、姿勢を変えるために必要なことを分析できる専門性の高い指導者が在籍するスタジオを選ぶことが大切です。

効率よく姿勢を変えるには、指導者側が筋肉の知識や体の構造など、医学的情報をしっかり理解している必要があります。

しかし、なかなか医学的情報まで理解してピラティスを行っているスタジオは多くありません。

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医学的情報にも詳しい指導者がいて、美しい姿勢まで最短でいけるスタジオが良い!

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ルルトは、以下のような特徴を持つ、結果にコミットできるピラティススタジオです。

●ルルトの特徴

  1. 一人一人の姿勢に合った負荷をかけられるマシンが揃っている
  2. 指導者は必ず理学療法士から指導を受けている
  3. 女性講師が多く、女性でも安心してパーソナルピラティスができる

ピラティスで最短で結果を出したい人は、「専門知識でアプローチできる指導者」「効果的なパーソナルレッスンができるプログラム」が揃ったルルトでピラティスを始めるのがおすすめです!

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まとめ

今回は、猫背矯正ベルトの効果がない理由や猫背の解消法についてご紹介しました。

本記事のまとめです。

●猫背矯正ベルトの効果がない理由

  • 矯正ベルトはその場しのぎにしかならない
  • ベルトで筋力は鍛えられない
  • ベルトで体の硬さは変えられない

●猫背の解消法方法

  • 弱くなっている筋肉を鍛える
  • 正しい姿勢をとるための動きを繰り返す

猫背を解消するには、正しいアプローチをすることが大切です。

体に負担をかけすぎないためには

  • 自分が闇雲にストレッチや筋トレをしていないか
  • デスクワークをしている時の姿勢は悪くないか

も見直すことも必要です。

最短で猫背を解消したい方にはピラティスなどの方法もおすすめです。

正しいアプローチを取り入れて、健康的に理想の姿勢を作っていきましょう!